手足がガクガク。

2003年2月13日
夜勤の始まりの申し送りを聞いていたら
ナースコールが鳴った。
いちばんはじっこのTさんの部屋。

Tさんはとってもかわいいおばあちゃん。
恥ずかしがりやで声が小さいけど
いつも話しかけたらはにかんだような
笑顔で答えてくれます。

ナースコールを鳴らすときは、
ベッドを寝かしてほしい、とか
ベッドを起してほしい、とか
そういう内容のことが多いので
のんびり歩いて部屋へ向かうと、
またコールが。

なんだろ?って思って部屋のほうを見たら
後輩が飛び出してきて、
「看護婦さん呼んでください!
Tさんが痙攣してます!!」

あたしは急いで詰所戻って悲鳴に近いくらいの
声で「Sさん!」って看護師さんを呼んだら
最初怪訝そうな顔をしてたSさんも
「Tさんが痙攣してるそうなんで・・・!」
って言ったら詰所を飛び出していった。

ただ事じゃないな、って思った。

すぐ先生呼んで、
看護師さん2人がTさんの部屋へ行って、
残された私は、
これから何が起こるかわからないから
それに備えて、
今日の業務を済ませてしまうことに。

医材(注射針とか)の請求業務をしていると
看護師さんが戻って来て
「ホリゾンがない!一緒に探して!」
って言われて探すけど見つからない。
”ホリゾン”って書いた棚がない。
ない。ない。
すごい焦って探すけどない。
1アンって言われたからアンプルで
あろうことはわかるからアンプルが入っている
ところを探しても見つからない。
「ダメだ!もう薬局行ってもらってきます」
って言って出て行こうとしたら
もう1人の看護師さんが戻って来て
ホリゾンてアゼジパミンのことだよ、
ってなって、急いでアゼジパ持って行った。

その間に部屋移動をして、
Tさんを詰所近くの部屋に移して、
とりあえず様子見。

苦しそうで、痙攣はまだ続いてるし
嘔吐もあるけれど声かけには反応がある。
そこでちょっと安心。

患者さんは他にもいるから、
私はあとは先輩に任せて
夕食の準備をしていたらまた痙攣が。

急いで救急カートからアンビュー持って来て、
サクション瓶を用意して、
いろいろやっていたら夕食がきた。

夕食を配膳している間にもTさんは嘔吐を
続けていて、あたしはすごく怖かった。
大好きな患者さんだからよけいに怖かった。
スキを見てベッドまで行って、
手を握って心の中で『絶対死んだらダメだよ』
『がんばるんだよ』って声をかけた。

夕食が終わって、体位交換に入って、
終わった後でTさんを見たら鼻から出血。
いよいよ危ないような感じがした。
このときは声かけに反応がなく、
刺激に対しても反応がなくて、
「意識レベルが落ちてる」ってことだった。
とりあえずソルデムの点滴を続行。
脳梗塞の既往がある方だから、
きっと再発したんだろう、って話でした。

午前3時頃に、また嘔吐が始まって、
モニターをつける準備だけした。
いつ何が起こってもいいように。

午前5時頃になってだいぶ落ち着いた。
声かけに反応があり、
手も握ってくれる。
『早く元気になるんだよ』って声をかけた。
心の中で。

私が夜勤を終えて帰るときにはTさんの
転階(治療のため)の準備がされていた。
どうなるんだろう?
ちょっと時間がかかるかもしれないけど、
また元気になって2階にリハビリのために
戻ってきてほしいと思う。
もしかしたら家族が転院を希望するかも
しれないけどそれでTさんが元気になるなら
そのほうがいいと思う。

まだ86歳だもん、亡くなるには早いよ。

ほんとに足がガクガク震えて、
どうなるんだろう?
って思って
最悪の想像もして、
死んだらやだな、って思った。

初めて経験した患者さんの急変。
自分はほとんど何もできなかった。
このことで、
看護師になりたいって思いがより強くなった。

がんばる!

でも、すごく怖かった。



どうするべ?

2003年2月12日
あのですね、
この前も書いたと思うんですけど、
”楽な仕事ばっかりする人”がいて。
その人はだんだん孤立してきてるんで、
「どうしようか?」
という話を前々からしてて先輩と話したところ
「はっきり言うべきだわ」
と言われちゃいました。

はっきり言うのか。
怖いな。
”本当のこと”(楽な仕事ばかりするのは)
なんだから言われても仕方ないよ、
ってある先輩が言ったんだけど
”本当のこと”が一番言われたらツライこと
だって思うんだ。

だから私もすごく悩んだけど、
やっぱり私は彼女のことを嫌いじゃないから
ちゃんと働いて、みんなで仲良くやって
いきたいって思うし、
1人だけ孤立したりするのはイヤだから。
孤立してほしくないから。

ドキドキするけどちゃんと伝えようと
思いました。
口で言うと、何を言っていいのかわからなく
なりそうだから手紙にしようかと考えてマス。

でもできるだけ傷つかない言葉を選びたい。
悪いのは彼女だけど、
今まで注意しなかった私たちだって同じくらい
悪いと思うから。

人間関係って大変です。
この話はしばらくしたくないくらいに
したから疲れたよ。

だからがんばったご褒美にw
チョコパーティーを2つくらい買ってみた。
もう今月は買わないと誓ったのに!
いや!いいの。
コンプリートするまでは買うの。
そのほうがいいって。
そうそう。
だってあと8個くらいなんだもん。

昨日また入浴介助した。
めっちゃ疲れた。
鼻毛ボーボーの人の(いっぱいいるの)
鼻毛切りたかったのにムリだった。
時間がなかった。
でもヒゲだけはそれたのでいいや。
喜んでくれたからいいや。


一緒にやろうよ。

2003年2月10日
今日は朝起きたときから仕事にいくのが
いやでいやで眠たくて眠たくて
休みたくて休みたくて。

ていうか同じ言葉を二回繰り返してる
だけだったりしてなんちゃって。

まぁ、本当にいやで休んじゃおうかな
なんていう邪な考えがチラリと頭を
かすめたんだけど、根性です。
そこは。
今日は忙しい日だってわかっていたので
怖くて「休みます」なんて言えませんでした。
実際はそんなもんです。
仕事好きだけど休みも好きだもーん。

うちの病院では、毎朝土日祝日以外は
環境整備、って言う、要は掃除をするわけ。
患者さんの部屋をまわってぞうきんで
ベッドをふくわけ。
こんなのほかの病院でもやってるの?w
やってたらある意味スゴイ。
普通掃除は委託でしょ?
この環境整備をやった時点でもう疲れる。
ぜいぜい言ってる。
「私も年ですわ〜」なんて口を滑らせて
先輩にキッ!とにらまれちゃったりw

その後に入浴介助。
じゃんけんで決めます。
2人。
見事に、キレイに、負けた。
一発で決まった。
ガクーン↓ってなった。
でも、しょうがないから入浴介助。
うちの病院、機械浴できませーん。
友達に言ったら「ありえない」って言われた。
じゃあ、寝たきりで浴槽に入れない患者さんは
どうやって入浴するのか?

あがる前に、洗面器でお風呂のお湯をくんで
一生懸命、かけます。
患者さんの顔にお湯がかかってもおかまいなし
でかけちゃいます。
必死です。
スクワットを何回もやってるようなもんです。
(浴槽と患者さんが乗ってるストレッチャーの
高さの差が大きいからいちいちしゃがまないといけないのです)

入浴介助が終わったら、
今度はお昼ご飯の用意。

いつもなら食事介助があるけど
私は入浴介助やったので
食事介助はパス!

休憩のときに退院した患者さんがくれた
ケーキといちご食べた。
うまかった。

休憩が終わってからシーツ交換&
リハビリの送迎。
リハビリ室に下ろした患者さんのベッドの
シーツ交換をやるかんじで。
おろしながら交換、おろしながら交換、
汗だくですよ。

その合間に体位交換。

私たちがヒーヒー言いながら働いてるときに
手伝いもしないで患者さんが食事のときに
使うエプロンをたたんでいた
Mさんには多少の殺意を感じました。

そこで「手伝って」言えればいいんだけど、
なかなか言えないわ。
てか、私だけの仕事じゃないんだから、
「手伝って」ってのもおかしいじゃないか。
お前気づけよ。
今日はシーツ交換しなくちゃダメだろ、
くらいは言いたかったけど。

仕事の帰りMさんが送ってくれたんだけど
車の中で
「今日は疲れた〜」って私が言ったら
「私はシーツ交換あまりできなかった」
とMさんが言ったので
わかってたのかよ!とつっこみそうに。
「でも入浴介助だったししょうがないか」と、のたまったときには
ちょっと待て!
あたしも入浴介助だったぞ!
と言いそうになったとかならなかったとか。
(どっちだ)

前の日記に書いたあばれんぼうIさんは
今日はいい子ちゃんでした。
おやつぼりぼり食べてたから
「ちょうだい」って言ったら「いいよ」って。
びびった。
感動しちゃった。
かわいかったから頭なでておいた。

元スナックのママSさんは舌好調。
「どうやったらお金もうけられるかね?」
って聞いた先輩に
「そんなの泥棒入ればいいんだ」ですって。
まぁ大胆。

私が大好きなAさんはずっと具合が悪くて
ずっと点滴がはずれないから悲しい。
「早く元気になってね、淋しいよ」
って話しかけたら
「ちょっと髪とかしてよ」
って言われたw
関連がまったくないですね。
私の話まったく聞いてないですね。

これまた私が大好きなTさんも
ずっと風邪ひいてたんだけどやっと治って
「治ったねーよかったね」って言ったら
「ここはいい男ばっかりいるから
恋煩いだったんだ」だって。
かわいいーー!!

でもネ、いい男なんてひとりもいないヨ?

余談ですが。

友達が仕事中に、
車イスに乗っている患者さんをベッドに
寝かせるために部屋に連れて行ったら
「横になりたくない」と言われたそうで。
「じゃあどうしたいの?」と聞いたら
「縦になりたい」って言われたんだって。

この話聞いて死ぬほど笑ってしまった。

そうかー横がいやなら縦だよねー。
そんな発送なかなかないわ。
すごいわ。
お年寄り最高。

だからこの仕事、楽しくて楽しくて
しょうがないんだよ。

めんこくない。

2003年2月8日
この間転階してきたIさん。
推定年齢90歳。

この人がすごい。

めちゃくちゃ暴れて危険なので
ベッドにいるときは体幹抑制つけてる
んだけど、それをはずせと大騒ぎ。

しょうがないので
「ちょくちょく部屋をのぞくことにしよう」
と申し合わせて真ん中のボッチだけ
つけないことにして、
10分後くらいにのぞくともう起き上がって
ゴソゴソやっている。

私が「何してるの?危ないから起きないで」
と言うと振り向くなり
「うるせぇ!何しようが私の勝手だろうが」
みたいなことをずっと言ってて
かなり興奮してました。
で、危ないからなんとか寝かせようと
なだめてみるんだけど全然ダメで、
結局車イスにのって詰所へ。

車イスに移動するときも
叩かれるわ、ひっかかれるわ最悪だった。

置いてあったキャラメル
(これはこちら側の不注意ですが)
を一気に全部食いして
「あっ!」って言った私に
「うるせぇ!何しようが私の勝手だろうが」
ってまた興奮してて、
『早く退院しろ〜〜!!』って心から思った。

ちなみにこの方女性です。

私はこの仕事を心から楽しいと思っているし
ステップアップしたいとも思ってます。
(看護師の資格をとって)
でもIさんに叩かれたときに
すっごーーーいむかついて叩き返しそうに
なってしまったのでちょっと自信がなくなって
きちゃいました(汗
ほんとにむかついて。
最初は私1人で対処していたんだけど
途中で看護師さんが来てくれなかったら
叩いてたかも。

夜勤。

2003年2月7日
ダイキライ。
夜勤。
夜型人間になりたい。
と思いつつも、
そうしたら今度は日勤が辛いことに気づく。

夜勤の何が辛いってね。
夜眠れないこと。
自分の布団で眠れないこと。

これが一番辛い。

仕事は楽なんだけどね。

ところで
体交って普通何人でするものなんでしょう?
私が働いてる病院は2人が基本。
でも友達は1人でやるらしい。
1人!?ありえない。
「そんなの1人でやったら患者さん
ひっぱらなきゃいけないから
じょくそうとかひどくなるじゃん」
って言ったら、
ちゃんとしたやりかたを
リハビリ科(?)が講習してくれるそうな。
いいな。
うちの病院、まったく講習会とかなくて
(「コストについて」とかどうでもいいもの
はあるけど。金儲けできりゃあいいってもんじゃないのにさ(怒))
体交だって移動だって
(車イス→ベッド、その逆、
とかストレッチャーへの移動とか)
やり方は先輩の見よう見真似さ。

裏を返せば「介護なんて誰でもできる」
ってことなんだろうけどさ。

結局はやる気の問題よね。

そういえば友達が
「私看護師になりたかったけど
看護体験で、おばあちゃんの足浴を
するのが『汚い』って思っちゃったんだよね。
だから諦めたんだ」って言ってた。
よく考えたら私はそういう気持ちなかったな。
便処置するときもぜんぜん汚いと思わないし。
たくさん出てたらマジ感動!

学生と社会人の違いなんですかね。

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梢

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